2013年6月14日金曜日

いろいろな出会い方

 サラリーマンの定年退職は、人生のひとつの節目である。  かつて日本では、男性の生きがいは会社であり、仕事だった。最近の状況はだいぶ変化してきたようだが、それでもまだ、定年退職したら何も生きがいがないという男性は多いはずだ。
 そのような男性の生きがいの原動力になるのは、実は奥さんだ。女性は、地域に密着して生きている。隣近所とのつきあいがあり、町内会とのつきあいがある。これから家を中心に生きていこうとなったとき、具体的にどんな仕事があるのか、自分は地域のためにどんな役に立つのか。その情報の発信源となるのが奥さんだ。
 男性は、自分は広い社会に生きていると思っている。女性は社会性がない、世間を知らないなどと思いがちである。ところが、男性も、実はせいぜい会社と家との往復で、非常に狭い社会しか生きていない。女性には女性の社会性があって、単に、少し違う種類の社会に生きているだけなのである。
 奥さんの持つ豊かな社会性を受け入れられれば、定年後の生きがいが広がってくる。 今までにはなかった出会いがたくさん経験できる。いい晩年を送っている人は、趣味があり、友人が多い。ボランティア活動に生きがいを見出す人も多い。何事もプラス思考で後ずさりしない。そうすれば、また新しい人生が開けてくる。
 生きがいの中心は、「お役に立つかどうか」、そして「自分も向上するか否か」だ。 社会の役に立ち、周囲の役に立ち、それだけでなく、自分の気晴らしになり、楽しめる。自分にも社会にも、両方に役に立つ、それが最高の生きがいになる。
 ちょっと話はずれるかもしれないが、先日、飲み屋でおいしい酒を飲んだ。その店は、四国のある銘柄の酒しか出さない店である。いっしょに飲んだ仲間のひとりに、息子さんがその酒造メーカーに勤めている人がいた。
「ここでわれわれがうんと酒を飲めば、息子さんのボーナスも増えるでしょうね」 「これが年寄りの生きがいだと思って、飲もう、飲もう」  といって、おおいに盛り上がった。人様の役に立ち、自分にも役に立っている。それが実感できれば十分ではないか。
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